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DOCUMENT

◆世界線

 

アリアの記憶はベッドの上で目覚めたところから始まる。

 

アリアは「黒の英雄ゼロ」を捕らえるよう命じられていて

選択によって6つの異なった結末を迎えることになる。

その呪われた6つの結末は、

次に目が覚めた際には悪夢として記憶から抜け落ちていく。

◆アダムの死

 

200年前、勇者アダムは邪神討伐後、

即位して1年足らずでこの世を去った。

 

発見された遺体に外傷はなく、吐物などの痕跡もなかった。

まるで眠っているように綺麗だったという。

死因について、実は病を患っていたのではとも噂されたが

毒物・もしくは呪術による暗殺であると結論付けられた。

 

犯人とされる者が処刑されたものの

当人は最後まで犯行を否定していたという。

 

結局死の真相は謎のままである。

 

後に白の国では邪神軍の残党によって暗殺されたと

言い伝えられることとなった。

◆黒の国の内戦

 

25年前、黒の国で起きた王国軍と反乱軍との戦い。

 

反乱軍を先導していたのは元王国軍騎士で

王貴族に反発する市民たちをまとめ反乱を起こした。

 

しかし反乱は鎮圧され、王家への反乱分子は粛清された。

 

反乱軍の生き残りたちは

かつて邪神が顕現した「炎の大地」とも呼ばれる無人島に逃れ、

その島の民となった。

◆レイラ 

 

王都の食堂で働いていたレイラは、  

反乱軍リーダーであった男と出会い、結ばれた。 

 

父親似の男児を授かるも、子供が生まれてすぐに王国軍との戦いが勃発。 

 

夫は戦いの最中に命を落とし、 

レイラも王国軍の兵士に追い詰められ死亡した。  

 

思念の強さが「獣の血」を制御する力になると考えていたヴィクターは  

ナイフ1本で子供を守りながら追手を切り抜けた強き母の噂を聞き、

彼女を蘇生させる。  

 

ヴィクターの研究の一環で度々死者が蘇らせられたが  

多くが意思を持たないアンデットになるか異形化する中、  

極めて生前に近い状態で再生された。  

(レイラの夫であった反乱軍のリーダーの蘇生も試されたが「黒の獣」となってしまった)   

 

生前の記憶はほとんどないものの息子への執着は残っており  

ヴィクターは命令を聞けば息子に会わせるという条件で彼女を従えた。

◆ディラン  

 

レイラの息子。  

 

母が死の直前に赤子だったディランを小舟に託したことで  

後に仲間たちに保護された。   

ディランは「波」の意。

◆アダムの父

 

アダムの前の王。

息子のアダムに比べると能力は平凡であり、

気が短く嫉妬深い性格は家臣からも評判があまり良くなかった。

 

アダムが生まれた際には珍しい銀髪であるなど(両親の髪色は茶)、

自身と似ていなかったことを理由

「悪魔の子」と呼び忌み嫌ったという。

 

悪魔との子を産んだと責められた妃は心を病み塞ぎ込み、

両親の愛を受けずに育ったアダムだったが

優しい心を持った青年に成長し家臣からも民からも愛されていた。

 

それを妬んでか、「悪魔の子」を排除するためか、

父王は実子であるアダムの暗殺を何度も試みていたという

(アダムの妹シャルロッテも銀髪と奇妙な赤い右目を持っていたため

気味悪がって離れの塔に幽閉していた)

「邪神討伐」という危険な旅を命じたのもアダムを城から遠ざけ、

あわよくば戦死させるつもりだったのではとの噂もあった。

 

そのため、ヴィクター含め

当時の家臣たちはアダムの死は

父王による暗殺であったと考えていたようだ。

◆ダヴィ

 

アダム王の後、様々な人間が王座についたが、

皆自分の欲を満たそうとする者ばかりで

の誰もが良い王とは言えなかった。

いつしか国民たちは悪王という共通の敵によって団結を強めていた。

 

団結した国民たちは反乱を起こしたが、

王国軍が勝利し王制は続いた。

 

しばらくして、次の王を決める際に全ての王候補を排除し、

王となったのがダヴィドだった。

 

国民が共通の敵と認識した

残虐で強欲な前王の性質をなぞるような行動をとりながらも

 

力でも王国軍騎士たちの頂点にいたダヴィドに

直接逆らう者は誰もいなかった。

 

ある意味で国民たちが求めた王の姿だった。

◆枢機卿

 

白の教団を束ねる幹部たち。

聖女は象徴的なもので実際に白の国を支配しているのは彼らである。

200年前にエヴァリアを聖女に祭上げてから彼女をずっと操っていたが

最近では逆に彼女の意思に影響を受けた行動をとっている。

 

 

◆ネリネ

 

黒の国の辺境を治める領主の娘。リコの双子の姉。

 

ネリネの家が治める地は

戦場跡につき荒れたままで民は貧しい暮らしをしていた。

更には賊が我が物顔で暴れまわっており治安が悪い。

土地を立て直すことも賊を制することもできず、

領民からも領主は無能だと呆れられていた。

 

父はすっかり憔悴し、

時期当主になるネリネは父に代わって様々な策を出したが、

どれも空回るばかり。

 

その中で、ネリネは貧民街に自分と瓜二つの少女がいるとの噂を聞く。

ネリネは一人娘として育てられていたが彼女はその噂を聞き

すぐに自分の双子の妹であると確信した。

 

双子は不吉であると言い伝えがあった。

 

現状の不運も、自分が半人前なの

全てその分身のせいだと決めつけたネリネは

私兵を連れて貧民街に向かうのだった

◆リコ  

 

領主の家に生まれたものの双子で生まれたために貧民街に捨てられた。

 (本来は殺害するはずだったが非情になりきれなかった両親の命により死を免れた。) 

 

「リコリス」という名が付けられていたが、活発で男の子のようだったこともあり 

「リコ」と呼ばれるようになった。 

 

・リコリスの花言葉:転生・独立・再会・あきらめ・悲しい思い出 

ネリネの花言葉:箱入り娘・忍耐・幸せな思い出

◆ゼロ (ここでは第1~6までの世界線のゼロを指す)

 

ヴィクターによって造られたホムンクルス。

人々の勇者へのイメージに加え、

ヴィクターの200年に渡る祈りと理論によって生まれた。

 

勇者アダムに似た特徴を持つが、

人間らしい感情を持たず、より完璧な存在である。

 

周りの人々の祈りや呪いに影響される性質があり、

殺戮を求められればその通りにし、死を求められれば大人しく従う。

 

基本はヴィクターから魔物を倒し民を助けるよう命じられているのでそれに従っている。

 

ヴィクターは彼を、アダムを蘇らせ王にするつもりで造ったが

彼が自分を導く王にはなりえないと悟り

見た目はアダムそのものだが魂はない「ゼロ」の存在としてその名を付けた。

 

しかし彼を英雄に仕立て上げ黒の国の王にするつもりではあるらしく

彼を活躍させるための舞台作りのために

魔物を放ったり非人道的なこともしているようだ。

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