top of page
CHAPTER OF BLACK
O1 Oblivion 忘却
戦況は一瞬にして覆った。
◆
戦況は一人の黒の騎士によって覆された。
黒の騎士は身の丈程もある大剣を振りかざし、
まるで草刈り鎌のように次々と敵を薙ぎ払ってゆく。
その圧倒的な強さは彼が「英雄」と呼ばれる所以だった。
アリアは薄れゆく意識の中で、自分を見下ろす彼の姿を見た。
O2 Execution 処刑
敵を討ち取った私は勲章を授かった。
◆
『この者の存在こそが黒の国の大罪の証である!』
捕らえた「黒の英雄」は民衆の前でその首を落とされた。
何故捕らえるのが黒の王ではなく彼なのか?
黒の国が犯した罪とは?
アリアは何も知ることもないまま
黒の英雄を捕らえた功績を讃えられ勲章を授かった。
O3 Heresy 異端
異端者は火あぶりにかけられた。
◆
「黒の英雄」を捕らえるため黒の国へ向かったアリア。
しかし標的であるはずのその英雄に命を助けられる。
「別の場所にも魔物がいたので助けてほしい」そう嘘をついて
誘導し彼を捕らえたが不思議と彼は抵抗しなかった。
罪悪感と教団への疑念。
悩みぬいた末アリアは彼を牢から連れ出す。
しかしすぐに教団の兵士たちに捕まってしまい、
罪人とそれに加担する魔女として二人は火あぶりにかけられた。
O4 Justice 正義
二つの正義は対立する。
◆
「黒の英雄」を捕らえるべく黒の国へ向かったアリアだったが、
誠実な彼に騙し打ちのような真似をすべきではないと考えたアリアは
何もせずにその場を立ち去った。
『また戦場で。』
その後、教団は黒の国への侵攻を開始。
戦場で再び黒の英雄に相対するもそこには変わり果てた彼の姿が。
せめて正々堂々戦おうと正面から立ち向かうも、
その圧倒的な力によって白の軍は瞬く間に壊滅に追い込まれてしまう。
O5 Rebellion 反逆
私たちは罪を犯し、呪われた。
◆
黒の英雄を捕らえたアリアであったが、
仲間を攻撃し彼を助けてしまう。
そのまま二人で黒の国へと逃亡。アリアは長い金の髪を切り落とし
黒の英雄―ゼロと共に戦うことを決めたのだった。
どちらの国がどうという事ではなかった。
ただ真に民を想い戦い続ける彼を助けたい一心だった。
白の国との兵力差で劣勢に立たされた黒の軍。
倒れ行く仲間達の嘆きを聞いたゼロはアリアの祈りも届くことなく
魔物へと姿を変えてしまう。
O6 Rebirth 新生
私たちは新しい天と地を見た。
◆
白と黒の戦いによって深手を負ったゼロは聖女の奇跡によって
一命をとりとめる。
「洗礼」を受けた彼の眼は虚ろでそこに意思は感じられなかった。
教団の目指す「正しき世界の実現」とは異端の国を滅ぼし、
そして白の国さえも裁きという名目で滅ぼしては
教団と従順な信徒のみの世界を作るというものだった。
裁きの先に見るこの世界は教団が目指したものなのか、
それとも、また別の世界なのか。
教団の上層から招集命令が下されていた。
新しい任務が与えられるらしい。
―早く向かわなくては。
アリアは、身支度を整え部屋を後にした。
ーーアリアは目覚めた。
ずっと夢を見ていた。
でもその内容はおぼろげでよく覚えていない
bottom of page